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行ってきました韮崎! [催し物]

台風が接近しているなか、行ってきました韮崎。

9月15日、第28回国民文化祭の行事として
駅前の韮崎市市民交流センター「ニコリ」で
ソプラノ歌手土井尻明子さんの歌唱と、
宮沢賢治記念館副館長の牛崎敏哉さんの講演会がありました。

土井尻さんは賢治や嘉内が作った
星めぐりの歌、アザレア、勿忘草の歌などを披露。
やっぱりプロの声楽家さんの歌はいいですね~。
特に感動したのは賢治の「剣舞の歌」。
賢治の弟・清六さんの歌った録音が残っているのですが
そのバージョンでアレンジして歌ってくださったのがうれしかった!

そして講師の牛崎敏哉さんは花巻の賢治記念館の副館長さん。
賢治の『種山ヶ原』と『風野又三郎』から『風の又三郎』に移っていく過程、
そして賢治が愛読した中里介山の『大菩薩峠』との似ている点について
賢治の深層心理と嘉内とのかかわりを述べられていました。
「富士川の帯」から「春日明神の帯」へ。『大菩薩峠』では「清姫の帯」。
これらの「帯」を見てしまうと不吉な恐ろしいことが起こるというのですが、
賢治の抱く「修羅」の意識と底なしの闇は
嘉内との(宗教上の)別れと『大菩薩峠』を読んだことが大きく関わっているということ。
そんなことを話してくださいました。

そういえば「銀河鉄道」も「銀河の帯」を走ってゆくのですね。
突然現れた真っ暗な闇によって不吉な「別れ」がやってくる。
しかし、賢治は、その闇を乗り越え、別れを乗り越えて、
新たな自分自身を探す旅に出たのではないでしょうか。
嘉内によりかかって、他人を自分ひとりのものとしようとしていた自分の姿を
「拒絶」という鏡によって見せつけられて
一人の自立した人間となるために、やはりそれは必然だった。
自分自身の生を生きるために、
賢治は一度死んで、生まれ変わる必要があったのではないでしょうか。

…なんて、そんなことをぼんやりと考えたりしました。


その後場所を移動して
「花園農村の碑」の前で、毎年恒例の碑前祭。

韮崎は午前中は大雨だったらしいのですが
私が到着したころには小雨に変わり、
その後は晴れ間も広がるほどで
碑前祭も無事終了。
たまにはこんなアットホームなかんじもいいものですね。
そうそう、牛崎さんが突如演じてくれた「鹿踊りのはじまり」、
一瞬で碑前の広場はぎんがぎがの草原になりました。

碑前祭の後に行った「銀河鉄道公園」から中央線を眺める景色は
いつでも素晴らしい。
銀河鉄道が夜空に上っていくようです。

その後は懇親会。
牛崎さん、土井尻さん、ピアノの古垣未来さんと
いつもはるばる来て下さる
つくばの加倉井さん、東京の横山さん、
京都の浜垣ご夫妻(宿泊の都合で途中退席、次回はぜひゆっくりと)、
もまじえて楽しい夜となりました。

ホテルに送ってもらって就寝したものの
なんだか興奮醒めやらずで
午前2時半ころ目が覚めてしまい
昨日のことを思い返してしばらく眠られず。
朝、台風で帰りの足を心配してくれた向山さんの電話がなければ
寝過ごして朝食を食べ損ねるところでした(汗)。

そしてやっぱり台風直撃。

それでも午前中は嘉内の残した資料の数々を見せていただくことができました。
書籍や日記、アザリアの友からの手紙…
何度見ても直筆のものは感動です。

嘉内が賢治・緑石・健吉からの手紙を貼り付けて
亡くなるまで枕元において大切にしていた緑色のスクラップブックや
大正10年7月18日の「宮澤賢治 面会来」と書いて斜線を引いた日記のページ。
いくらでも賢治の直筆や一級資料をご覧になっている牛崎さんが
感激されているご様子に、こちらもまた感動。
他のみなさんとも資料を眺めながらああだこうだと楽しい談義。
濃密で素晴らしい時間を共有させていただくことができました。

そしてとうとう帰る時間。
懸念されたとおり昼すぎもまだ中央線が動いておらず
東京方面組は向山さん手配の高速バスにてお帰りになり、
名古屋方面の私と浜垣ご夫妻は、向山さんに塩尻まで送って頂くことに。
それだけでもありがたいのに
なんと塩尻に着いてもまだ中央線が止まったままということで、
そのまま木曽福島まで行ってくださることに。(こんな奇特な人はいない!)

そこからはようやく電車が動き出し、
無事その日のうちに家に帰ることができました。

アザリア記念会の皆様、
各地より集ってくださった皆様、
今回もたいへんお世話になりました。
ありがとうございました。

 うさぎやさん、日本一美味しいお饅頭をありがとう!
 さぶちゃんいつもいろいろありがとう!みかちゃん会えなくて残念!
 また遊びに行きますね~。

 ※ソプラノ歌手・土井尻明子さんのHP→こちら
  (大船渡市で津波の被害を逃れたラベンダーで支援活動をされています)
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nenemu8921

こんにちわ。イーハトーブ・ガーデンの赤田・ネネムです。
こんなすてきなブログをお持ちだったのですね。
リンクもしてくださって。わぁ、ありがとうございます。
「りんご通信」という個人誌を発刊しますというお知らせをいただいたことがあるので、その方と思っておりました。(男性です)
わあ、すごいなあ。
ツィッターもあなたなのね!わあ。signalessさんね。
ツィッターはよくわからないままでスタートしました。
本の宣伝のために、しないといけないと言われて。
でも実際は、どうしたらいいか、コマっていますが。。。

そうですか。牛崎さんの講演は中身が濃いお話だった様子ですね。
講演録が出たら、ぜひ、拝読したいものです。
イーハトーブ・ガーデンは昨日お送りしました。
どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。

あらら、これは非公開に出来ないのかしら。

by nenemu8921 (2013-09-27 11:04) 

signaless

ネネム様

ありがとうございます!
わぁ、うれしい!!

ネネムさんの『イーハトーブガーデン』はいつも楽しみに拝見させて頂いていました。素晴らしい写真&文章のネネムさんはずっと憧れの存在、コメントをくださって感激しています。

写真集を発刊なさったと知り、うれしくなって、
面識もないのに不躾かと思いながらも
思い切ってコメント欄にてお願いしてしまいました。
さっそくお送りくださってありがとうございます。

まぁ、男性の方が「りんご通信」という雑誌を発行なさっているのですね。こんな拙いブログと同名で紛らわしくて、なんだかその方に申し訳ない気がします。

それから、ツイッターのリフォローもありがとうございます。
私の場合、何気なく思いついたことなどをあれこれつぶやいて遊んでいます(見苦しくてすみません~)。

ソネットには非公開コメントのような機能はないみたいです。
ナイショのお話は、ツイッターのダイレクトメッセージでも送れます。
(あとでメールアドレスを送らせていただきます)

賢治祭には、昨年は行けたのですが、今年は叶いませんでした。
でも、来年はまた行く気満々でいるので
もしお会いできればうれしいです。

嘉内の故郷、韮崎もとてもいいところなので
機会があれば、ぜひ起こしください!!
by signaless (2013-09-27 19:10) 

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