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写真集『イーハトーブ・ガーデン ー宮沢賢治が愛した樹木や草花』 [本]

インターネットを始めたとき、
真っ先に「宮沢賢治」に関するサイトやブログを探したものですが
その中には素晴らしいものがいくつかあって
それらを毎日のように見るのが楽しみになり、
いまでもそれは続いています。

そのうちのひとつがネネムさんの『イーハトーブ・ガーデン』。
主にイーハトーブ(=岩手)に出かけて撮影された
賢治の作品等に登場する植物を載せておられます。

美しい写真に添えられた賢治作品の一節とネネムさんの解説は端的明快、
まるで賢治の植物図鑑。
さらには植物だけでなく鳥類にも詳しい。
(共著で『賢治鳥類学』(新曜社)という本も出されています)

このたび、写真集を出されたと知り
不躾を承知でブログ経由でお願いしたところ
早速快く送って頂きました。

ihatov garden.JPG

このように本になってみると
パソコンとはまた違った良さがあり
より写真の美しさが際立っていたり
じっくりと手にとって静かに鑑賞できることもあり
賢治の言葉も、ネネムさんの解説も、より心にしみわたってくる気がします。

いいなぁ、すてきだなぁと眺めながら
スズラン(鈴蘭)のページにきたとき
小さなコロンとした花の列から
コロコロチラチラと可愛い音が聞こえてきたような気がしてはっとしました。

そう思って見てみると
花や実や葉の全てが
リズムを持って息づいているよう。
シダレヤナギの葉のくるりくるりとした様も
ウドの放射状の花もみな、音楽を奏でているようです。

ヌスビトハギのうふふと笑いのハミング
ノバラの赤い実と小枝の小さなマーチ
めくらぶどうの静かな祈りの歌…

なんてなんて美しい世界。
ああ、賢治はこんな美しい世界を私たちに教えてくれていたんだと
ネネムさんが写真として現してくれたことで
その世界の素晴らしさを再確認させられ、
かつその深さを思いしらされました。

あとがきには「賢治と会話しながらシャッターを押し続けた」とあります。
そうです、これらは賢治と話すことができる人だけが撮れる写真。

そんなことを感じながら
またページを開くと、涙がながれるのを止められません。

単なる植物図鑑とは違う、
イーハトーブの光と風がつまった写真集。
植物たちが生き生きと、息づいている世界を
どうかたくさんの方にも覗いてみて、そして旅してもらえたらと思います。


『イーハトーブ・ガーデン ー宮沢賢治が愛した樹木や草花』  文・写真 赤田秀子(コールサック社)

※ネネムさんのブログ→〈イーハトーブ・ガーデン〉

こちらもお薦め→『賢治鳥類学』
賢治鳥類学


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コメント 2

nenemu8921

まあ、ご丁寧な紹介、ありがとうございます。
嬉しいなあ。
ちょっと照れますけど。。。
ここ数日、急にブログの訪問者が急増したので?と思っていたら、
きっと、こちらのご紹介のおかげですね。感謝です。

又、宮沢賢治研究会への入会もしていただいたそうで、ありがとうございます。
伊勢旅行にご参加くださるとか。
お目にかかれるのを楽しみにしております。
どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。

by nenemu8921 (2013-10-13 16:10) 

signaless

nenemu様

コメントありがとうございます!
いえいえ、きっと各方面で話題になっているからだと思いますよ~♪

宮沢賢治研究会は、ずっと気になりながら
何故か入会のきっかけがつかめないままでいたのですが、
昨年度の途中からやっとお仲間に入れて頂くことができました。
例会などにはなかなか参加できませんが
会報や山猫通信はとても楽しみにしています。

今回の修学旅行には故郷の伊勢を選んでいただいたので、
参加しないわけにはいきません(^_^)v
ほんとうにうれしく思っています。

私もnenemuさんとお会いできるのを心待ちにしています。
こちらこそよろしくお願いいたします!

by signaless (2013-10-14 18:07) 

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