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『「イーハトーブ農学校の賢治先生」を語る』 [CD]

『「イーハトーブ農学校の賢治先生」を語る』というCDを購入しました。

サブタイトルの通り、「賢治の教え子らが語る実況録音集」で、
『証言宮澤賢治先生』の佐藤成氏・編のCDです。

ときは1982(昭和57)年1月12日
ところは花巻市「ブッシュ」
となっていて、賢治の「てんぷらそばとサイダー」で有名な「やぶ屋」さんですね。

このCDは
第一回(大正11年)から第七回(昭和3年)までの花巻農学校卒業生25名と
同僚・堀籠文之進さんによる座談会の席での録音です。

収録時間は23分という短いものですが
内容は大変興味深いものでした。

農学校で教師をしていた賢治の姿は
それぞれの胸に深く刻まれています。
その「教え」がその後の生き方にも大きく影響した生徒も少なくはないのでしょう。

賢治に、詩『風林』で
「あの青ざめた喜劇の天才「植物医師」の一役者」
と言わしめた長坂(川村)俊男さんや、
バナナン大将・平来作さん、
亡くなる10日前に、有名な深い手紙をもらった柳原昌悦さんなどなど。
それぞれの賢治の姿を生き生きと語ってくれています。

この歌を作った時に歌った賢治の声を
ありありと覚えているという平来作さんの独唱「青い槍の葉」と
最後に全員で斉唱する「精神歌」は感動します。

彼等の歌う声を、
賢治はきっと目を細めて聴いていんただろうなぁ、と思うと
涙が自然と流れてくるのでした。


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コメント 5

NO NAME

賢治の教え子たち。
写真集は持っています。

賢治の授業が極めて印象的であったことが覗われます。
それに加えて彼らはことあるごとにインタビューなどされてきたので、その都度記憶を塗り直し、結果としてより鮮明に再現できるのでしょうね。
こうした音源は貴重です。

感動して涙するリンゴさんの心も貴重です。

by NO NAME (2010-09-12 17:29) 

misimahiroshi

上の名無しはぼくです。
by misimahiroshi (2010-09-12 17:30) 

signaless

mishima様、有難うございます。
教え子達の記録は、鳥山敏子さんのものも有名ですね。
『先生はほほーっと宙に舞った―写真集 宮澤賢治の教え子たち 』http://amzn.to/dcaIHdでしょうか?私も持っています。映画にもなり、DVDも出ているようですが、高価なのでなかなか手がでません(笑)。

賢治は、学校という枠、つまらない常識・規則を越えた人としての教育をしたのではないか、という気がします。たしかにへんてこな先生ではあったと思いますが…。
私自身、そういう先生を求めていたというのも、賢治に惹かれた一因だったことを思い出しました。


by signaless (2010-09-12 22:44) 

青蜩庵主人

 むかし、NHK特集とかの番組でインタビューは度々観ています。ことに没後50周年の頃は、生誕100年の時よりは地味でしたが、色々特集が組まれ、色々と観た記憶があります。
 まるで昨日のことのようにエピソードを語る生徒さんたちが印象的でしたね。川泳ぎに行って畑からスイカを採って食べた話でしたか? 賢治は事前にお百姓さんからスイカを買っておいたというようなエピソードを覚えています。
 元気溌剌として生徒たちと駆けめぐる賢治が、殊に私は好きでたまりません。
 笑顔とそのテノールの笑い声が、ありありと想像され、浮かんでくるのです。
by 青蜩庵主人 (2010-09-14 14:45) 

signaless

青蜩庵主人さん、有難うございます。
私が賢治を好きになったのもまさに没後50年という頃だったのです。ある意味幸運だったのかも。

川に行ったとき、生徒より先に駆けていって作業服を着たまま飛び込んじゃった、とか。夜中に生徒と温泉に入りに行ったとか。ドアからでなく窓から教室に入ってきたとか。月夜に何か書いていたと思うと突然走り出してほほーっととびあがるとか。ボートに乗っていて、何度も水にりんごを落として「きれいだ、きれいだ」と言っていたとか。あげればきりがありません。お茶目すぎますよね。
とにかく、私が生徒だったら、好きでたまらない先生だったような気がします。あ、いえ、生徒でなくても…。(笑)

by signaless (2010-09-14 16:41) 

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