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「野蛮からぬけない世界」と徴兵制 [思うこと]

「さて現今世界 の大勢を見るに実にどうもこんらんして居る。ひとのものを横合か らとる様なことが多い。実にふんがいにたへない。まだ世界は野蛮 からぬけない。けしからん。くそっ。ちょっ。」
『紫紺染について』の紫紺染研究会会長の言葉。

「(ああ、マヂエル様さま、どうか憎にくむことのできない敵てきを殺ころさないでいゝやうに早はやくこの世界せかいがなりますやうに、そのためならば、わたくしのからだなどは、何なんべん引ひき裂さかれてもかまひません。)」
『烏の北斗七星』の烏の新しい少佐の言葉。

みんなのほんとうの幸いを願うとすれば
世界がどういう方向に進んで行くべきかは明確である。


これまで戦地で活動している自衛隊が攻撃を受けなかったのは
日本に平和憲法があるからだということを
知らないのか忘れているのか。

このまま「集団的自衛権」なる名のつく「他衛的参戦権」が容認されてしまえば
日本は確実に戦争に巻き込まれ(あるいは巻き起こす)ことになるのは目に見えている。
そうなれば自衛隊員は激減するに決まっていて
徴兵制が導入されるのは必然となってくる。

先の第2次世界大戦だけでも
たった4年の間に戦争の犠牲になり命を落とした人は250万人とも300万人とも言われている。

今、戦争への道を推進している人たちは
戦地なんかには絶対に行かない人であり
戦争が起こっても最後まで自身や家族の安全が保証されている人ばかりだ。

甘いおとぎばなし、かっこよく描かれた英雄伝にそそのかされて
日本を侵略してくる憎い敵に勝つためには
軍事力を強化するしかない、と思いこまされている若者。

子供や孫が可愛いはずのいい歳をしたおじさんおばさん。
この記事をかいている今もTVの中でとてもお上品なおばさまが
「世界情勢が変わってきているのに、いつまでもこのままではいけませんでしょ」
と言い放っている。

若者よりもこういう人により大きな絶望を感じる。
あなたの重ねてきた月日は、いったいなんのためにあったのですか。
あなたはその目でその耳でなにを見何を聴き、その頭で何を考えてきたのですか?
何十年も?

考えてみればいい歳の人達も、戦争があったのは幼い頃なので
よく覚えていない人が多いのだろう。
戦地に行ったお父さんお兄さんは、傷が深くてほとんど何も語ってくれなかったのだろう。
それにしても、だ。

先日、若い人だけでなくいいお歳の方にも
「志願兵」に対する認識が間違っている人がいて驚いた。
つまり自ら志願して兵士になった軍人だというのである。

「集団的自衛権」もそうだが、言葉というのはやっかいだな。
詐欺師はそこをうまくついてくるのである。
エコという言葉に乗せられるのも同じだが
先日のアベさんの会見、可愛い妻と子のイラストのボードとソフトで流ちょうな口調に洗脳された人は
どれくらいいたのだろう。

 あのボードに描かれた事例は、「集団的自衛権」の説明にもなっておらず
 現行の憲法で可能であるという指摘もある。
 思うに、満州でも沖縄でも国民は日本軍に見捨てられ殺された。
 いざとなったら、現実には誰も護ってはくれないのである。
 「国民の命と財産を護るため」だって?
 寝言は言わないでほしい。
 現在のフクシマを見よ。 

話がそれた、
「志願兵」というのは、一家の大事な長男に、兵役を少しでも短く負担を軽くさせようという親心と
国の財政負担を軽減するといいう目的が重なっているもので
経費は自分持ちの代わりに兵役期間を短くするための制度であって
裕福な家の子息にしかできないものだった。

盛岡高等農林で学べるような子らはみなそれなりに裕福な家庭の子であって
保阪嘉内も河本緑石も、この志願兵で入隊している。
賢治はといえば、健康上の理由で兵役を逃れたということであり
もし健康と判断されれば、きっとこの制度を利用したに違いない。
だれも決して喜んで国を護るぞと「志願」して兵隊になったわけではない。
徴兵制度というものは「血税」であって、原則的に
私は行きたくないからと言って回避できるものではないのである。

「集団的自衛権」に賛成の人は
自分が、夫や息子、孫が、徴兵されて、現実に戦地に行くことになるのを
どう思っているのだろうか。
まさか「それは自衛隊の人達が行ってくれるよ」などと思っているわけではあるまい。まさか。

日本が参戦できる国に成りはててしまえば
いつなんどき、9.11のようなことが日本にも起こるかもわからないのだが
隣国が責めてくるという想像はできても
そういう想像はできないのか。

国際情勢が危うくなり
たとえば隣国からなんらかのモーションをかけられたとしても
それを解決するのが外交であり対話交渉であって
これまでもずっとそうやってきたはずだ。

それがたった一つの地球という船に乗るもの同士、
平和に共存するための手段であって
だいたいが国家国境などという集団的妄想から抜け出すのが最終的なはずだが
その道のりはあまりに遠い。
まぁそれが実現するかどうかはともかく
野蛮からは一刻も早く、抜け出すべきである。



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むこちゃん




昨年小学校5年生の社会科で日本の国土の学習をしたときに領土問題を取り上げました。日本と中国、韓国などの主張を話をしたら子ども達の意見の中に「国境をなくせばいい」「世界が一つになればいい」という考えが出されました。その意見にいたく感動し共鳴しました。「それでは言葉がこまるじゃないの」という意見には私から「エスペラントという世界の共通語もあるんだよ」という話もしました。そうですよね、もともと人類の中に国境なぞ存在しなかったわけで国と国とのエゴが今のような事態を生んでいるわけです。あらためてエスペラントという思想の崇高さと本来の意義を感じさせられました。
私のすきな歌に忍たま乱太郎の曲で世界が一つになるまでという曲があります。朝の会で歌っていてついじーんとなってしまいます。ちなみに「日本のいいところは」と聞いたところ、和食、自然が豊か、などの答えとともに「戦争のない平和な国」という答えが圧倒的に占めていました。子ども達の中に根付く憲法の豊かな恵み、それを野蛮な方法で踏みにじることは許されないと思うのです。
また世界がひとつになるなでを口ずさんでじーんとしてきます。憲法9条にノーベル平和賞を。

世界がひとつになるまで
まぶしい陽ざしが 君の名前を呼ぶ
おんなじ気持ちで 空が見えるよ
つらいとき ひとりきりで
涙をこらえないで

※世界がひとつになるまで
 ずっと手をつないでいよう
 あたたかいほほえみで もうすぐ
 夢が本当になるから
 (LaLaLa)間奏 8小節

はじめて出逢った あの日 あの場所から
いろんな未来が 歩きはじめた
なぜみんな この地球に
生まれてきたのだろう

※※世界がひとつになるまで
  ずっと手をつないでいよう
  思い出のまぶしさに 負けない
  とても素敵な夢がある

by むこちゃん (2014-05-24 10:50) 

アヨアン・イゴカー

平和憲法なんとしても守りましょう!
署名活動や周囲の人に注意を喚起することしかできませんが、それでもやらないよりはましだと信じています。
by アヨアン・イゴカー (2014-05-25 22:53) 

signaless

むこちゃんさん、コメントありがとうございます。
子供達から「国境をなくせばいい」という考えが出てくるとは!驚きと感動でした。
ジョン・レノンの「イマジン」という歌は、まさに「国境なんてないと思ってごらん」という世界の平和を祈る歌です。
「夢見人と笑うかも知れない、でも僕が望んでいるのはそれだけじゃない、君も仲間になって、世界がひとつになることだよ」と。
こんな授業をして、子供達の純粋でまっすぐな思いを導き受け止める先生が、今どれだけいるでしょうか。この子たちはほんとうに幸せだと思います。そして、その尊い思いを、このまま保ち続けていってくれるように願います。大人はその手助けをしなければならないのです。この子達の明るい未来を手渡すのが大人の最大の責務です。
何としても、戦争だけはしてはならないのです。

ああ、私もむこちゃんさんの生徒でいたかったー!(そしたら人生もっと違っていたはず!)
by signaless (2014-05-26 19:04) 

signaless

アヨアン・イゴカーさま コメントありがとうございます。

ほんとうに、この世界の先駆けにして誇るべき平和憲法を
なんとしても護らなければならないと私も思います。
わたしもたいしたことはできませんが、地道で小さな働きかけが積もり積もって大きな力になることを願います。

by signaless (2014-05-26 19:08) 

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